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【ライター必読】原稿の消費税を源泉徴収しなければ手取り額が増えます


ぼくを含めフリーライターの多くが、「自分の手取り額を増やしたい」または「減らしたくはない」と考えているのではないでしょうか。

この記事のタイトルにピンとこない人は、もしかしたら不要に手取り額が減っているかもしれません。

ライターがクライアントに原稿料を請求するときの計算式は、

原稿料+消費税-源泉徴収税=支払い額(受取り額)

ですが、この中の「消費税」は源泉徴収の対象にしなくてよいのです。

もし、原稿料と消費税を合わせた金額に源泉徴収税率をかけている人がいれば、この記事を読み実践することで、少しだけ手取り額が増えます。

参考にしてみてください。

源泉徴収の対象は「原稿料」か「原稿料+消費税」か

原稿料に消費税が必要な理由と源泉徴収の意味については過去に書きましたので、下の記事をそれぞれご参考ください。

ライターが知っておきたい「消費税」の基礎知識【なぜ原稿に必要?】

独立する前から知っておきたい「源泉徴収」の意味と対象になる報酬の種類

源泉徴収とは、企業が社員やフリーランスの所得税(想定額)を税務署に前払いする制度です。この制度に則って、フリーライターは企業が源泉徴収する金額を明記して請求しなくてはなりません。

源泉徴収の税率は報酬が100万円以下の場合は10.21%ですから、報酬から「報酬×10.21%」の金額を引いたものが企業の支払い額ならびにライターの手取り額になるわけですね。

さて、このとき、こんな疑問が浮かぶのではないでしょうか。

「報酬とは原稿料を指すのか。それとも、原稿料と消費税を合わせたものを意味するのか」

正解は前者であり、消費税は源泉徴収の対象にしなくてよいのです。

手取り額が増える実例

この場合、源泉徴収税率をかける母数が小さくなるので、手取り額が少し増えます。

例えば原稿料が3万円の場合でその違いを見てみましょう(消費税率8%で計算)。

1、「原稿料+消費税」が源泉徴収の対象

30,000(原稿料)+2,400(消費税)-32,400×0.1021(源泉徴収税)=32,400-3,308=29,092円(手取り額)

2、原稿料のみが源泉徴収の対象

30,000+2,400-30000×0.1021=32,400-3,063=29,337円

差額は245円と微々たるものですが、仮に3万円の案件を月に10本こなしたとするとその差は2450円に増えますから、バカにはできませんよね。

国税庁も認めている請求方法


源泉徴収の対象が原稿料のみでいいことは、国税庁のホームページにも書かれています。

報酬・料金等の額の中に消費税及び地方消費税の額(以下、「消費税等の額」といいます。)が含まれている場合は、原則として、消費税等の額を含めた金額が源泉徴収の対象となります。

ただし、請求書等において、報酬・料金等の額と消費税等の額が明確に区分されている場合には、その報酬・料金等の額のみを源泉徴収の対象とする金額として差し支えありません
国税庁ホームページ「源泉徴収が必要な報酬・料金等とは」の2の(4)

もう一つ、資産管理ツールを提供する「マネーフォワード」運営のメディアからも引用します。

基本的には、源泉徴収は、消費税も含む報酬・料金として支払った金額の全部が対象となります。

ただし、請求書で報酬の金額と消費税の金額が明確に分けられている場合には、消費税の金額を除いた報酬の金額のみを源泉徴収の対象とすることができます
Money Forward Bizpedia

ポイントは、原稿料と消費税を分けて請求書を作ること

合算したものを「報酬」とした場合はその金額が源泉徴収の対象になりますが、分ければ、源泉徴収の対象は原稿料だけでよいのです。

税金に税金はかからないということなのでしょうか。仕組みのマジックのようなものですが、知っておくと得ですよね。

企業によって見解は違う?


ぼくがこのことを知ったのは、独立して1年目の2016年です。

ぼくは独立当時、2つの会社と契約を結んでいて、双方から請求書フォーマットのデータをもらいました。

1社のフォーマットは原稿料だけで消費税を設けておらず(これもおかしい)、「原稿料+交通費」の金額を源泉徴収の対象にしていて、もう1社は消費税を設けていましたが、「原稿料+消費税+交通費」を源泉徴収の対象にしていました。

源泉徴収に関する知識が浅かったぼくは当時、これらのフォーマットを見て、「報酬の総額に源泉徴収税率をかければいいんだ」と思い込んでしまったのです。

ちなみに後者のフォーマットデータは原稿料と消費税を分けて項目が作られていたにも関わらず、数字を入力すると自動的に総額に源泉徴収税がかけられる仕様になっていました。

そして、その後に一緒に仕事をした企業には会社指定の請求書フォーマットがなかったので、自分で請求書を作って請求しました。

すると、ぼくが請求した金額と実際に振り込まれた金額が違っていて、振り込まれたものの方が少し高かったのです。

「あれ? なぜだろう」と思って問い合わせたところ、編集者が経理に確認してくれて、「うちでは原稿料のみを源泉徴収の対象にしていて、消費税を含めてはいない」と返ってきました。

そこでぼくは源泉徴収について詳しく調べ、先に述べたことを理解できたというわけです。

消費税を源泉徴収の対象にしなくていいことを企業が知らないのか、それとも国税庁が言っていることはあくまでも「(対象にしなくて)差し支えない」という表現なので、消費税を合わせて総額を源泉徴収の対象にしてもいいという見解なのか。

どちらかはわかりませんが、こんな場合は企業に相談してみてもいいかもしれません。

ぼくは既に上の2社とは仕事をしていなくて、今では全ての会社に対して原稿料だけを源泉徴収の対象にして請求していますが、もしまた上のようなフォーマットをいただくことがあれば、こうした情報を伝えて相談してみると思います。

「交通費」は源泉徴収の対象


一方で、留意しないといけないこともあります。

それは、消費税は源泉徴収の対象にならなくても、交通費はその対象になることです。

国税庁のホームページなどにはこう書かれています。

謝礼、研究費、取材費、車代などの名目で支払われていても、その実態が報酬・料金等と同じであれば源泉徴収の対象になります

しかし、報酬・料金等の支払者が、直接交通機関等へ通常必要な範囲の交通費や宿泊費などを支払った場合は、報酬・料金等に含めなくてもよいことになっています。
国税庁ホームページ「源泉徴収が必要な報酬・料金等とは」の2の(2)

通勤手当以外で、個人に対して取材費、車代などの名目で「金品」で支払った交通費は、実質報酬であれば源泉徴収の対象になります

ただし、支払者である事業主が、直接交通機関や旅行会社へ支払い、その料金が常識の範囲内ならば、報酬に含める必要がなく、源泉徴収の対象外です。
――Money Forward Bizpedia

「クライアントが交通機関に交通費を支払う場合は報酬に含めなくてよい」ことは言ってみれば当然のことなので、特筆すべきことはないでしょう。

原稿料と消費税を分けて請求書に記載すれば、消費税は源泉徴収の対象にしなくてよい。

ただし、取材のために必要だった交通費は源泉徴収の対象になるので「原稿料+交通費」を合わせた金額に源泉超徴収税率をかける必要がある

覚えておくと役立ちます。

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