そうだ、フリーランス用のプロフィール写真をカメラマンに撮ってもらおう
そう思い立ち、仕事仲間に撮ってもらったらやはりプロの仕事でした。素敵な写真をたくさん撮ってもらって満足。
そこで今回は、フリーライターのショウブ(@freemediwriter)がカメラマンに撮影を依頼した経緯や当日の模様、撮ってもらった写真の一部を紹介します。
フリーランスとしてもう何年も経つけど、そういえばちゃんとしたプロフィール写真がない…。撮ってもらうの興味あるな
そんな人は参考にしてみてください。
- カメラマンの選び方
- 写真の内容の決め方
- カメラマンへの希望の伝え方
- 報酬の交渉方法
- 場所の手配など準備したこと
こういった内容を書きつつ、出来上がった写真の一部も掲載します。
プロフィール写真を依頼した理由
そもそもなぜ、わたしがプロフィール用の写真を撮ってもらおうと思ったか。
それはシンプルに、わたしに興味を持ってくれた人のために、わたしのことをイメージできる情報を増やしたいと思ったからです。
わたしは独立した2016年からブログを運営していて、2020年現在その数は3つに増えています。
一方、プロフィール用の写真は独立当時にスマートフォンで撮ったもの1つだけ。
その写真をより良いものに差し替えるとともに、自分を紹介する記事に他の写真を複数掲載することで、読者がよりイメージできるようにしたいなと。
わたしは2016年からブログ経由で仕事を受注していて、2017年からは営業をしていないので、運営するサイトの質は重要なんですよね。
それと、わたしは自分のブログ記事に張る画像にフリー素材を利用していますが、これも自分の写真に差し替えた方が独自性が高まり、味わいも深まると思いました。
追記:それぞれ実践しました。
https://ikiru-writer.com/medical-writer-performance/
多摩市のカメラマン・鈴木さんに依頼
撮影をお願いしたのは、多摩市在住のカメラマン・鈴木孝正さんです=上写真。
わたしは今までにおよそ60人のカメラマンと仕事してきました。その中で、「この人はいいな」と思う人が5人くらいぱっと浮かぶんですが、鈴木さんはその一人。
- 信頼できる仕事仲間
- 企業からも評価されている
- わたしと住んでいる地域が近い
鈴木さんに連絡したのは上の3つの理由からです。
鈴木さんとはある企業との仕事でおよそ10回は現場を共にしました。
物腰が柔らかく、企業の担当者や撮影対象者と良好にコミュニケーションを図る一方、撮影のために必要な要望はちゃんと出し、現場での動きが的確。
そんな印象を抱いていて、また鈴木さんが住む多摩市はわたしの住む調布市に近く、調布に住んだこともあるそう。
わたしは今回、野外での撮影もお願いしたいと思っていたので、周辺の土地勘があることも考慮すると鈴木さんがベストではないかなと。
カメラマンへの依頼内容
わたしが鈴木さんに撮影を依頼した流れを紹介しますね。
まずは上のようにラインで簡単に相談したい旨を伝え、その後に具体的な「相談書」をワード1枚に書いて送りました。
書いた内容は下の通り。
- 相談した経緯と理由
- 撮ってほしい写真のイメージ
- 具体的な写真の内容
- 写真撮影で気になっていること
データも添付しておきます。
相談書に書いた通り、重視したいと思ったのは「爽やかさ」。
ライターは人と会って話を聞く仕事なので、「清潔感があって、誠実そう」と、読者の方、特に、仕事の依頼を検討している人に思ってもらえるようにしたいなと。
プロフィール写真の費用の決め方
相談書に目を通してもらった上で、鈴木さんに報酬の希望額を聞きました。
自分の予算は伝えず、また交渉もせず、鈴木さんが提案した金額をお支払いしようと思いました。
それは、鈴木さんに気持ち良く仕事をしてもらいたかったからです。
わたしの今回の目的は「いい写真」を撮ってもらうことなので、そのためにはまず、報酬面で満足してもらうことが重要だと思ったんですね。
わたしの場合、報酬が低くても引き受けた以上は手を抜かないようにしていて、鈴木さんも同じだとは思います。
ですが、わたしは過去、フリーランスとして「ちょっと報酬がなあ…」と思うことがあったので、鈴木さんにはわたしとの仕事でそんな心の引っかかりを感じてもらいたくありませんでした。
企業であれば文章や写真を「コンテンツ」とみなし、その数を増やすことを重視するが故にフリーランスへの報酬を「なるべく低く」と考えるところがあるでしょう。
でもわたしの場合、仕事を受けることはあっても頼むことは初めて。
今回、いい写真を撮ってもらえれば少なくとも3年は同じ依頼をしなくて済むので、「ここぞ」という気持ちで報酬についてはせこせこ考えなくてよかったわけです。
費用以外での決め事や準備
じゃあ、一緒に仕事しましょう
報酬が決まって成約した後、撮影場所を話し合いました。
- 屋内写真で仕事の雰囲気を出す
- 野外写真で爽やかさを出す
こんな意図のもと、鈴木さんとLINEでいろいろ情報交換した結果、
- 屋内の撮影場所は調布市の会議室
- 野外のそれは多摩市の公園
に決定。
会議室については、調布市が運営する「調布市市民プラザあくろす」が安かったのでそこに。民間のレンタルスペースだと1時間1000円を超えますが、ここは1時間200円~600円(広さで値段が変わります)。
わたしたちが利用した会議室=上写真=は定員12人(現在はコロナ禍のため6人)と広かったのですが、それでも1時間300円です。安い。
一方、野外写真の撮影場所は多摩市の都立桜ヶ丘公園に。
多摩川や野川、深大寺も候補に挙がりましたが、多摩川だと「意外と樹木が多くて野性味が強くなってしまいそう」(鈴木さん)なことから、過去に鈴木さんがプライベートで訪れたことのある、同公園にしました。
野外撮影の場所選びは鈴木さんに助けられましたね。
野外撮影があって依頼主が近場で済ませたいとき、土地勘のあるカメラマンに依頼するのはよさそうです。
撮影当日の模様
会議室での撮影を10月1日に、公園での撮影を同5日に行いました。
当初は1日でまとめる予定だったのですが、あいにく1日の午前に雨が降ってしまったので野外撮影は別日に。
会議室の撮影はスムーズに終わりました。
事前に撮ってほしい写真の内容は伝えていましたし、鈴木さんはキャリア15年の経験豊富なカメラマン。
「少しあごを引いてもらえますか」「目線はもう少し上で」「顔は少し左に…」「そう、じゃちょっと笑ってみましょうか。もう少し、いいですね!」――。
ポージングの指示出しが端的なのでやりやすかったです。
テンポよく撮影は進み、予約枠の1時間まで残り5分というところで終わりました。
続いて、野外写真の撮影。
京王線「多摩センター駅」で鈴木さんの車に乗せてもらい、都立桜ヶ丘公園へ(車で運んでもらえたのもありがたかった)。
ここは多摩丘陵にある公園=上写真=で、当初は街並みを見下ろせる路上で撮影する予定でしたが、あいにく別の団体のロケが入っていてその周辺で撮ることに。
ベンチ、林道、丘の斜面などと撮影場所を変えながら、座っているところ、立ち姿、カメラを構えている姿、バインダーとペンを手にしている様子などポーズもさまざまに撮ってもらいました。
撮影時間は2時間ほど。
野外での撮影は選択肢が多いので屋内より時間はかかりましたが、こちらも全体的にスムーズに進みました。
フリーランスに仕事を頼むこと、カメラマンに写真を撮られること、屋内・野外とシチュエーションを変えて写真を撮ること――。全て初めての経験なのでいろんな場面で発見があって楽しかったですね。
都立桜ヶ丘公園は自然が豊富で気持ち良かったです。
できた写真の一部
さて、どんな写真が出来上がったのでしょうか。
鈴木さんから送られた写真は307枚(屋内146枚、野外161枚)。
バリエーションに配慮しつつ、特に印象に残ったものを10枚に絞って紹介します。
わたしは「いい!」と思ったのですが、いかがでしょうか。鈴木さんも「いい写真がたくさん撮れた」と言ってくれました。
掲載例はごく一部なので読者の方はわかりづらいかもしれませんが、「シチュエーション」「ポーズ」「表情」それぞれが豊富なので使い勝手が良さそうです。
プロフ写真撮影で学んだこと
- やっぱりカメラマン選びは重要
- 「どこで撮るか」も大事
- 野外で撮ると雰囲気が出る
- 「晴天がいい」わけではない
- カメラマンも最後の粘りは大切
今回の撮影で学んだことは主に上の5つ。説明していきますね。
やっぱりカメラマン選びは重要
やっぱり、誰に頼むかは重要でした。
出来上がりの質が変わるであろうことはもちろん、事前のコミュニケーションに相応の労力が必要だからです。
今回、写真撮影までにLINEで30往復くらいやり取りを重ねたので、顔見知りのカメラマンじゃないと気疲れしただろうなと。
顔見知りではなくても、テキストでのコミュニケーションが円滑に進む人の方がストレスが少なくていいのでは。
一番いいのはわたしのように、その人の人柄や現場での立ち回りを把握している人に頼むことだろうと思います。
難しければ、記者やライター、編集者などカメラマンと仕事をしている人にいい人を紹介してもらうとか、ブログやツイッター、インスタグラムで人柄がおよそ想像できる人に連絡するとか。
撮影までのやり取りの量と質が「自分が満足する写真」に影響すると思うので、相談しやすい人に頼むのが大事でしょうね。
「どこで撮るか」も重要
場所選びも重要でした。
まずは会議室。
わたしは事前に下見に行き、広さや構造が違う3つの部屋を撮影して鈴木さんに送信、「どの部屋が撮りやすそうか」聞いて決めました。
鈴木さんによると、撮影するには「ある程度の広さ」が必要らしいのですが、その程度が素人にはわかりづらい。カメラマンに判断してもらうのが一番でしょう。
鈴木さんの場合、広さだけではなく、設備の新しさや古さ、壁やテーブルの色も考慮しながらジャッジしてくれました。
結果、上に掲載した部屋で広さは十分、人や機材の移動がしやすかったようです。
また、テーブルと壁の色味が合っていて、ストロボの光がうまい具合に機材から天井、天井から壁面やテーブルへと反射・拡散し、きれいな写真を撮りやすかったといいます。
次に野外。
掲載写真を増やすために先に載せたものとは違うものを選びましたが、それぞれ背景が違っていますよね。
野外写真を入れると雰囲気が出る
「背景」「ポーズ」「持ち物」「日の光の差し具合」によって写真の雰囲気が変わることがよくわかります。
だからこそ、プロフィール写真に野外写真を入れるといいだろうなと。わたしの場合はよかったです。
屋内だけで済ますよりも満足感が高まりました。
「晴天だからいい」わけではない
そして、今回の経験で特に面白かった学び。それは、「晴天だからいい」というわけではないこと。
わたしはなんとなく、「よく晴れていた方がいい写真が撮れるんじゃないか」と思っていたんですが、鈴木さんは「日の光が優しくなるから曇りも自分は好き」。
ああ、なるほどと。
撮影日は少し曇っていたんですが、確かに柔らかい印象になっているんですよね。
曇っていると空の青が濃くないので、背景のあっさりした感じが増して、その分、人物が映える写真になりやすいのかなと。
カメラマンも最後の粘りは大切
「ライターとカメラマンは粘りが大切」。鈴木さんと一致した考えです。
これらの写真は、本当に最後の最後に撮れたものなんですね。
ひと通りお願いしていた写真を撮ってもらえた後、曇間から少し日が出てきていたので「いい感じに日が差しているところも撮りたいですね」と鈴木さんから提案が。
撮影場所から駐車場までの間でいいところがないか鈴木さんが探してくれ、「ないなあ…」とこぼす中で最後に見つけたのがこの場所でした。
これらの写真がわたしの満足感をぐっと高めてくれました。
この出来事はライターの仕事と通じていたので、「写真撮影も粘りが大事なんですかね」と振ったら鈴木さんは同意し、「それは大事にしている」と。
わたしは取材の終盤に「聞きそびれたことはないか」「もっと面白い情報を得られないか」と頭をフル回転させることが常なんですが、それと似ていると思ったんです。
ライターの場合、取材を終えた後から退室するまでの雑談ですごくいい情報が得られることがあるので、そんなことと似ているなと。
上の写真、いかがでしょう。
木の茶色、葉の緑色、日に照らされた葉の淡い発色が優しいコントラストを織りなしています。そして、日の光が人物の輪郭を柔らかく浮き立たせています。
とてもいい写真だと思いました。
レポートはこれで終わりです。
プロフィール写真を撮ってもらう経験、すごく面白かったですね。
仕事を依頼する側の心理も体験できるので、フリーランスがフリーランスに仕事を頼んでみるのはお勧め。
自分が仕事を受けるときに役に立つことがあるかもしれません。
フリーライターの庄部でした。
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