突然ですが皆さん、貯金はしてますか?
「お金は使うほどに自分に返ってくるもの。貯金なんて必要ない」という考え方もあって理解はできますが、それでも全くないようだとやっぱり不安だし危険ですよね。
特にわたしのようなフリーランスはいつどんな理由で仕事が減るかわからないので、少なくとも3カ月は無収入でも生活できるお金が必要です。
そんなことを言ってるわたし。実は独立したときの貯金はゼロでした。
いま振り返ってもよく独立したな…と身のすくむ思いがしますが、フリーになってからお金に対する意識が先ほど話したように変わりました。
結果的に、独立した2016年から2018年までの2年間で300万円貯めました。
総務省が発表した「平成26年全国消費実態調査」によると、40歳未満の独身男性の平均貯金額は373万円(同じ条件で女性の場合は264万円)。
わたしは今33歳です。
同じ調査では40歳未満の独身男性の平均年収は407万円で、独立1年目のわたしの年収がそれと大差ない420万円だったことを考えると、この2年間での貯金のペースは悪くないよう。
年収1千万円以上を稼いでたらそれくらい貯まるのは普通ですものね。
この記事では、会社員時代に全くお金を貯めなかったフリーライターのショウブ(@freemediwriter)がどうやって貯めたのか、貯められる体質になったのか。考え方とノウハウを紹介します。
貯金専用の口座を作る
本気で貯金をしよう! そう決めたら、まずは専用の口座を作りましょう。
給料や報酬が振り込まれる口座しか持ってないと、計画的には貯まりづらいと思うのです。
わたしは会社員時代に給料が振り込まれる口座しか活用していなくて、現金が少なくなってきたら引き出す、を繰り返していました。
結果的にその月の終わりの残高が前月を超えていればラッキーくらいな気持ちでした。結果、貯まりませんでした。
「今月はこれくらい貯金しよう」とは思うんです。
しかしながら、口座のお金が定期的に移動していると、抵抗感が減って、もうちょっと引き出してもいいかな…なんて思うのが常でした。
ですから、基本的には手を付けない貯金用の口座を開設することを勧めます。
給料や報酬が振り込まれたり、家賃や通信費、クレジットカード代などが引き下ろされたりする、お金がよく移動する口座が一つ。
それ以外に、貯金用としてめったに引き出さない口座を一つ作ることで貯まりやすさはアップします。
ミニマルライフコストを把握
貯金ができる体質になるためには、自分は一体、月にお金がいくらあれば生活できるかを把握しておく必要があります。
自分が生活する上で最低限必要になるお金=ミニマルライフコストを計算してみましょう。
ミニマルライフコスト
『自由であり続けるために 20代で捨てるべき50のこと』などで知られる執筆家の四角(よすみ)大輔さんが提唱した言葉。
わたしの場合、メモアプリ「エバーノート」に書き留めているミニマルライフコストは17万2200円。
ミニマルライフコストを軸に、他にかかるお金を加味して次の月の合計支出額を計算し、貯金できる金額を事前に把握することを勧めます。
カード払いを習慣化 現金を持ち歩かない
「カード払いを続けると金銭感覚がマヒする」「現金で支払うようにしよう」
貯金する方法を説いた記事を読んでいてこんな文章を目にしたことがありますが、わたしはカード払いを習慣化した方がお金は貯まると考えています。
貯金をする上で大切なのは、自分の支出額とその内訳を常に把握し続けることですが、現金で商品やサービスを買っているとその管理が面倒ではないでしょうか。
わたしも過去にレシートの内容を家計簿アプリに一枚一枚入力していた時期がありましたが、途中で面倒になって止めてしまいました。
結果的に支出額と内訳がわからなくなり、貯金や節約への意欲も減ってしまったのです。
ですから、細々とした作業が苦手な人ほどカード払いを習慣化することを勧めます。
カード会社のスマホアプリを利用することで、支出履歴をデータで確認することができますから、管理の手間が大幅に減ります。
わたしが利用しているカードはウォルマートカードセゾン。
よく利用するスーパー「西友」での買い物代が毎日3%オフになるので普段使いのカードにしているわけですが、光熱費、携帯電話代、通信費(サーバーレンタル代)もウォルマートカードセゾンで払うようにして、履歴を一元化しています。
今はスーパー以外に商業施設や居酒屋チェーン、コンビニ、ツタヤなどでもカードが使えますから、ひと昔前に比べて活用頻度はかなり高められます。
なるべくカード払いにして、財布に入れる現金を最小限にしておくことで気持ちもすっきりしますよ。
わたしは基本的に財布に入れるお金は1万円以内と決めていて、ムダに現金を使わないようにしています。
貯金額はすぐ専用口座に
これは大切です。
給料や報酬が振り込まれたら、すぐに事前に計算しておいた貯金額を専用の口座に入金しましょう。
ダラダラと後に伸ばしておくのはダメ。すぐに貯金用の口座に入れてしまい、普段使いの口座に余分なお金を入れておかないことで、ムダな出費を減らせます。
支出の管理はカード払いによって手間をなくす方がいいのですが、貯金に関しては専用口座に移すというひと手間をかけることでお金が貯まっている感覚が得られ、モチベーションが高まりやすいのではないでしょうか。
生活費は封筒に 使う日まで持ち歩かない
カード払いを中心にしつつも、どうしても現金で払わないといけないときはありますよね。
わたしで言えば医療費や美容院代などがそうで、こうした支出はあらかじめ封筒にその分のお金を入れて保管するようにしています。
そして、使う当日に封筒から現金を出して財布に入れる。
こうすることで財布に余分なお金を入れるのを防ぎ、ムダ使いを減らせます。
家計簿アプリも利用しよう
家計簿アプリも利用しましょう。
カードアプリだけだと現金での支出額と内訳がわかりませんが、家計簿アプリを使うことで補完できます。
わたしが利用しているのは無料の「Zaim」。
普段使い用と貯金用の双方の口座を登録することで、それぞれのお金の動きが一目で分かるほか、支出の内訳や平均額をグラフで確認できてとても便利です。
カードアプリと家計簿アプリを併用することで資産管理がはかどります。
ここまでのまとめ
- 貯金専用の口座を作り、ミニマルライフコストを計算
- カード払いを習慣化、アプリで支出管理を
- 給料・報酬を得たらすぐに貯金用口座へ
- 現金で支払うものは封筒に。使う当日に財布へ
- 家計簿アプリで支出割合や総資産もチェック
「貯金をする」と言うとすぐに節約の話になりがちですが、まずはこれらに取り組み、貯まりやすい仕組みを整えておくことが大切です。
次に節約 まずは固定費を減らそう
次に、どうやって支出を減らしていくかですが、最も簡単で重要なのは固定費を減らすことです。
固定費とは、費用の変わらない毎月の支出のこと。
貯金をするためには、お金を使う際に葛藤する機会を減らすことが大切です。
なぜかと言うと、人は弱い生き物(少なくともわたしはそう)なので、お金を使うときに常に考えなくてはいけない場合、妥協するからです。
例えば変動費の代表である食費に焦点を当てた場合。
いつもは自炊をしているのに、仕事で疲れていたりして「きょうは作りたくないなあ」なんて思う日もありますよね。そして、自炊よりもお金がかかる外食で済ませてしまう。
わたしも日々感じることですが、変動費を常に抑え続けるのはストイックでないとなかなかできません。ほとんどの人は気が緩むものです。
では、どうすれば無理なく節約に取り組めるかと言うと、それは、考えなくても節約ができる仕組みををつくること。つまり、固定費を減らせばいいのです。
固定費を一旦減らしてしまえば、あとは自動的に口座から一定額が引き下ろされ続けるだけですから、継続的にこちらが何かを考えたり、葛藤したり、工夫したりする必要はなくなります。
では、どんな固定費に着目すればいいかと言うと、それは「家賃」「インターネット代」「携帯電話代」の3つ。
この3つをもっと安くできないか考えてみましょう。
わたしは独立した時に前の妻と2人で1LDK12万円のマンションに住んでいましたが、独立して2カ月後に離婚したので、1K6万円のアパートに引っ越しました。
また、インターネットに関してはJ:COM対応物件だった利点を生かして、通信速度が高くないプランを選んで月々2138円に抑えました。
さらに、携帯電話は格安スマホの楽天モバイルに変えました。料金は月に2600~2700円台。
ドコモを利用していた時代から携帯代は半減しました。
隠れた固定費にも注目
次に、「変動費の中に隠れている固定費」にも注目してみましょう。その代表は契約アンペアです。
電気代は使った電気量に応じて費用が変わる変動費ですが、電気代の内訳は基本料金に使用電力量を加えたものなので、契約アンペアを調整することで基本料金が下がり、結果的に電気代も減ります。
一人暮らしに最適なのは30アンペアだと言われていますが、わたしは20アンペアで不都合がありません。
東京電力の場合、基本料金は20アンペアで561円(小数点第一位を切り捨て)、30アンペアで842円なので、20アンペアに落とすことで月々に281円を減らせます。
節約額は微々たるものですが、一度契約を変えればいいだけなので検討してみるといいでしょう。
ちなみに、20アンペアで冬場に何度かブレーカーが落ちたことがありました。暖房とテレビ、電気ケトル、電子レンジをそれぞれ同時に使っているときです。
これはどれか一つか二つを一時的にストップさせればいいだけなので、特に問題ではありません。
未着手ですが、変動費の中の固定費という点で言うと、電球をLEDにしたり、そもそも電気会社を変えたりするのも節約方法として良さそうですね。
携帯料金や通信費のプランの見直しも変動費の中の固定費になります。
ミニマリズムを実践する
フリーランスになってから「ミニマリズム」を実践するようになり、結果的に支出が減りました。
ミニマリズムと言うと、単に「物を持たないこと」と理解している人がいるかもしれませんが、わたしは、自分にとって必要なモノ・コトと不要なモノ・コトを見極め、前者に思いと力を注ぐことだと考えています。
わたしがミニマリズムを実践しようと思ったのは、自分にとって必要でないことに時間とお金をかけるのを止めて、フリーランスとしてサバイブしていける可能性を少しでも高めたかったためです。
結果的にお金を使わないようになりました。
図書館利用で書籍費がゼロに
わたしは本を読むことが好きで、月に3~5千円ほどは書籍購入に充てていました。
本を読むのは自分にとって必要なことなので、買うのもムダではないのですが、ミニマリズムを実践するに当たって、本当に買う必要があるか考えてみたのです。
新刊をすぐに読みたいのであれば買った方がいいのですが、そもそもわたしが読むのはほとんどが小説でしかも新旧を問わないんですよね。
ではなぜ買っているかというと、「とりあえず所有したかったから」。
なぜ所有したかったかを考えてみると、3つの理由が挙がりました。
- もう1度読むかもしれないから
- 本がずらっと並んでいる本棚を眺めたかったから
- 人が来たときに「本を読んでいる賢い自分」を演出したいから
さらに考えてみると、①と③は現実になっていないことに気付きました。過去に再読した本はほとんどなく、めったに人も家に来ない。
3つのうち2つが消えたことで、本を買う必要はないのではないかと思うようになりました。
それで本棚とほぼ全ての本を売ってみると、本が並んでいる様を見るのが好きだった気持ちも自然と消え、集めたい気持ちが再燃することはなく、むしろ何もないことに心地良さを覚えるようになったのです。
これで、書籍購入費がなくなりました。
Amazonプライムで映画鑑賞代も半減
わたしは映画を見るのも好きなのですが、Amazonプライムを利用することで映画にかけるお金が半分に減りました。
Amazonプライムは、Amazon.comが提供するWEBサービス。
年間3900円で指定の映画が見放題、音楽が聴き放題になり、さらに注文した商品を翌日に配送してくれる特典もあります。
年間3900円は月間ベースで325円。
わたしが利用するツタヤは旧作のレンタル代が125円(1枚2泊3日)で、月に最低5本は借りていたので625円は毎月かかっていました。
なので、Amazonプライムを利用することで映画鑑賞代が半減しました。
サービスを利用して見られる映画は指定のものだけなので、必ず見たい作品を見られるわけではないのですが、数は豊富です。
いろんな映画との偶然の出合いを楽しみながら支出を減らしたい人にとって、Amazonプライムはかなりお勧め。
30日間の無料体験ができて、気に入らなければこの間に登録を解除できるので試してみてはどうでしょう。
こんなふうに、今は物をシェアしたりレンタルしたりするサービスが普及していて所有しなくてもいい時代になっているので、自分に合ったサービスを見つけて利用すると支出を減らせます。
半自炊でも食費は減らせる
節約の王道、自炊。
これに関しては、わたしはできていません。
前の妻と離婚したばかりのころはキッチンの広いマンションに住んでいたので自炊をしていたのですが、今住んでいるアパートはキッチンが狭いんで気分が盛り上がらないんですよね。
かといって、毎日外食をしていると食費が高くなってしまう。
そこで、妥協案としてわたしが実践しているのが半自炊です。
ご飯を一度に5合炊いて、8、9つのまとまりを作ってラップに包んで冷凍。卵や豆腐、納豆、キムチ、梅干し、にんにく、バナナ、ヨーグルトを常備しておいて、スーパーで買った総菜に添える。
卵は百円ショップで買った商品を使い、レンジでチンすれば簡単に半熟にできます。
野菜や果物も適当に切っておかずに添える。
主菜だけ買って、あとは常備している食材を使えば十分に健康的に節約することができるのです。
これで毎月の食費は3万円前後(酒代含む)。そこまで低くはないのですが、手間をかけずにこのくらいの金額には抑えられます。
こんなふうにして、わたしは2年間で300万円を貯めました。
中でも大切なのは、自分に何が必要で何が要らないかを洗い出すこと。そして貯まりやすい仕組みを整えた上で具体的なノウハウを実践していくことにあると思います。
節約や貯金はその人に合った方法で無理なく楽しく続けるのが重要。わたしが紹介したことが参考になればうれしく思います。
またいい方法が見つかったら追記しますね。
フリーライターの庄部でした。
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