ツイートしても「いいね」をもらえないし、フォロワーも増えない。寂しい…。投稿する意味なんてあるのか?
ツイッターを利用する人の中にはこう思っている人もいるのではないでしょうか。「いいね」をされない、フォロワーが増えないために、ツイッターの利用を止めてしまった人もいるかもしれません。
2017年からツイッターを使い続けるわたしも過去、冒頭のような疑問を感じたことがありました。
2021年現在も、ほぼ「いいね」されない状況は変わりませんし、フォロワー数は3月現在で290人と多くはありません。
しかし、ツイッターを使う目的を自分に問い、明確にしたことで、「寂しい」といった気持ちを感じることはなくなりました。
今回は、ツイッターでの影響力がないライター・ショウブ(@freemediwriter)が、それでも投稿を続ける理由を紹介します。
ああ、こういった考え方もあるのか
ツイッターを利用し続けることにもやもやしている人は何か参考になることがあるかもしれません。
「いいね」されるツイートの型
「いいね」をされたり、フォロワーが増えたりするとちょっとうれしい。逆だとちょっと寂しい。
ツイッター投稿を始めた当初はこんな気持ちでした。
それで、「これは反応があるのではないか」と狙って投稿し、二桁の「いいね」がついたこともありました。
わたしをフォローしている人は「ライター」と称している人が多いので、そんな人の役に立ちそうな情報や、ライターとして活動する中でうれしかったことなど感情を前面に出した投稿は「いいね」がつきやすい傾向があることがわかりました。
フォロワーとその予備軍の属性を考え、その人たちの役に立つ情報を感情を添えて出す
おそらく、これが「いいね」をもらいやすい投稿の一つの型じゃないかと想像。意図的にこういった投稿を重ねた結果、早々に200人ほどからフォローされました。
でも、その型を守り続けることはしませんでした。
なぜかというと、よく考えた結果、たとえ「いいね」をもらったりフォロワーが増えたりして、その瞬間にちょっと気持ちが上がっても、それが特段、自分の人生にポジティブな影響を与えるわけではないとわかったためです。
自分の喜びを考えると答えが出た
ツイッターを使う目的は人それぞれですが、わたしの場合、フリーライターとしての自分に何らかのポジティブな影響が生まれるようにしたい思いがあります。
ライターとして最もうれしいことは何か。それは、面白そうな人に会って面白い話を聞くこと。ネットの関係に留まらず、直接会うことが必要です。
ツイッターを絡めた上での重要なポイントは、「自分と相性が良さそうな人」に関心を持ってもらうこと。
わたしの場合、たとえツイッターで多くの人に「いいね」をもらったりフォロワーが増えたりしても、その人たちのほとんどは自分にとって関心の高い人ではありません。
「いいね」をもらうために意図的なツイートをすることは、わたしにとってはさほど有効ではないんですね。
では、どうするか。
フォロワーではなく、将来、わたしと会う可能性がある人を考え、その人たちにライターとしてのわたしのスタイルやマインドをそれとなく察してもらうようにする。
こちらの方がわたしには合っているなと。
感情ではなく情報を出す形に絞る
それで、ツイッターの投稿を下のように変えました。
- 感情を出さないで情報を書く
- 情報はすぐに見れない形にする
まず、感情を書かないようにしました。
感情を添えた投稿は読者の感情を動かしやすいので、結果的に「いいね」が増えやすい投稿の一つの要素になると思いますが、それは止めました。
ツイッター上の感情表現を、読者として、書き手としてのわたしがあまり信じていないからです。
ロシアの文豪・ドストエフスキーの小説を読むとよくわかりますが、人間の感情は常に変わり続けるものだと思うんですね。
ちょっとしたことでうれしくなったり、ちょっとしたことでイラっとしたり。
絶えず揺れ動いている感情の一瞬を切り取ることにどれほどの意味があるのか、そうわたしは思うのです。
「その一瞬を見られるのがツイッターの醍醐味じゃん」という考えは理解できますが、その一瞬で自分のイメージが固定化される可能性もはらむわけで、SNSとブログを通して自分のことを詳細にわたって公開しているわたしの場合、リスク要因にもなるのではないかと。
感情を出し続けることで、自分のことを良くも悪くも何らかの型にはめて解釈される恐れがある、という意味ですね。
誤解なく伝えるには文章量が必要
上の見出しに書いた通り、感情にしても情報にしても、誤解なく伝えるためにはツイッターの短文だと不十分、というのがわたしの考えです。
ですから、感情と情報は文章量を確保できるブログの中に出し、ツイッターには書かないようにしました。
ブログの素材となる情報をツイートすることもありますが、その際は自分の書いた文章をキャプチャーし、ツイートにその画像をはって情報量を増やしています。
はっきり言って、こうした投稿の形はツイッター利用者には好まれないでしょう。
すぐに何かを知れるのがツイッターのいいところなのに、わたしのツイートを見てもブログの更新情報や検索上位表示された記事のリンク、記事の素材となる情報しか見れず、それらはクリックしたり添付画像を引き出したりした上でよく読まないと全容がつかめないためです。
でも、これでいいと思っています。
この人の投稿は多くの人とちょっと違うな。何かの考えがあってこんな形にしているのかな
まずは、こんなふうに想像してもらいたい。
その上で、わたしがツイートにはっているキャプチャー画像やブログの文章を読んでもらう、つまりある程度まとまった量の文章を読んでもらうことで、ライターとしてのわたしの文章の質や情報の取り方などを知ってもらいたいんですね。
この人、医療ライターとして多くの医師を取材しているだけじゃなく、ブログにもいろんな記事を書いている。しかも、よく調べ、よく取材した上で。面白そうだ
ツイッターとブログの両方でこうイメージを深めてもらうのが理想です。
ライター庄部のツイッター活用法
- リアルに会う人に関心を持ってもらうための素材
- ライターとしての価値観と姿勢をにおわせる
わたしがツイッターを活用する目的と投稿のコンセプトをまとめると、上の通りです。
自分と相性の良さそうな人に関心を持ってもらうためには、取り繕わず自分の価値観を見せていくことが大切。
かといって、ツイッターの短文ではうまく伝わりづらいし、場合によっては軽薄に見えてしまう恐れがある。
なので、ブログの素材や更新情報を投稿し続ける、という形にしているわけです。
- いっときの気持ちや感情を出さない
- 情緒で人を動かそうとしない
- よく調べ、よく取材する、淡々と投稿し続ける
特にこの3点を重視していて、これらの形式を通してわたしの姿がなんとなく伝わればいいなと。
黙々と自分の興味関心に肉薄し続ける、いい意味で粘りっこいライターだと思ってもらえるとうれしいですね。
ツイッターの運用を続けた効果
で、その結果はどうなの?
この記事を読んでいる人は当然、こんな疑問が浮かぶと思うのですが、これはよくわかりません。
わたしは独立した2016年からブログを運営していて、ブログ経由で現在までにおよそ100もの問い合わせを企業・個人からもらいました。
中には「ツイッターも見ましたよ」と言ってくれる人がいますが、具体的な感想を話す人は割合的に少ないので、細かく効果検証ができないんですよね。
ただ、ツイッターにも目を通した上で連絡をくれているということは、多少なりともわたしと合わない人からの連絡を減らすというスクリーニング効果を得られているのではないかと思いますし、ブログではなくツイッターをきっかけに知り合った人のうち2人に取材させてもらいましたが、やはり相性が良かったです。
取材がスムーズに進みましたし、相手にも取材や記事の質を喜んでもらえました。
また、フォロワーの中にはわたしのブログの文章をよく読んでくれていて、わたしの文章が「大好き」とまで言ってくれる人もいるので(うれしいことです)、この投稿形式と内容を当面は続けようと思っています。
以上、名もなきライター・庄部(@freemediwriter)のツイッター運用レポートでした。
「いいね」をされたり、フォローされたりするのがうれしい気持ちはわかりますが、「そもそも自分の本当の喜びは何なのか」を考えることから出発して、その喜びをつくるためにどうツイッターを絡めるといいのかと考えを展開させると、また違った活用方法や投稿内容が浮かんでくるかもしれません。
参考にしてみてください。
追記:ツイッターから興味を持った人に聞いた
追記です。
先日2021年3月、ツイッターをきっかけにわたしに関心を持ってくれた人と仕事をしたので、なぜフォロワーが少なく、またほとんどのツイートで「いいね」もされないアカウントに興味を持ったのか聞きました。
その結果、下のことを考えました。
- ツイッターはやはりライターを探すときの検索媒体
- 「ライターとしてどんな文章を書くか」を重視してツイートを読む人がいる
- ライターの日々の出来事や雑感には関心を覚えない人がいる
どういうことか書きますね。
その方はある企業の社員で、医療分野を取材しているライターを探していたといいます。
まずはツイッターで「医療ライター」などのキーワードで検索したところ、わたしともう一人のライターが目に留まったそう。
フォロワー数はその人の方がわたしより多かったそうですが、その人のツイートを読んでも「ライターとしてどんな記事を書いているか」「どんな文章を書きそうか」イメージがしづらかったとのこと。
わたしの方が医療ライターとしての実在感を感じられたといいます。
その後、その方はわたしのブログも読んでくれ、実績紹介記事などにも目を通した結果、「庄部さんに相談してみようと思った」。
ツイッターだけでなく、グーグル検索でもわたしがすぐに見つかったため、「おお、またこの人」と印象に残ったとも話していました。
ライターのつぶやきに関心がない人も
その方とはちょっとした雑談の中でツイッターの話に及んだため、わたしのツイートのどんなところ、どんな文章に関心を持ったのか厳密にはわかりません。
ただ、その方の話しぶりなどから「おそらくこんな理由ではないか」と思ったのが上の枠内のことです。
その方は前提として、医師を取材してライティングしてくれるライターを探していました。
その方の関心事は「医療ライターとしてどんな実績があり、ライターとしてどんな文章を書く人なのか」だったため、そもそもフォロワー数やツイートに押された「いいね」数、ツイートされがちなライター個人の日々の出来事や雑感にはさほど興味がなかったのではないでしょうか。
わたしがツイートしている内容は先述の通りで私的なことはつぶやいておらず、ブログの更新情報・検索上位表示記事・記事素材――の3つ。
ツイートをクリックすれば「つぶやき」ではなく、「記事」が読めます。ブログには詳細な実績を載せており、その中には過去に記事を載せてもらった媒体だけでなく、書いた記事のリンクも添付しています。
記事素材となるツイートも実際に記事に書くことを想定して文体を調整しています。
個人的なつぶやきではなく、ライターとしての記事を想像しやすい、見つけやすい、読みやすい
こういったことから、その方にとっては「ライターとしての実在感」が立ち上ってきやすかったのではないでしょうか。
フォロワーを増やさなくても、「いいね」をもらおうとしなくても、自分なりの考えをもってツイッターを運用することで自分の求める結果を出すことは可能なのだと思います。
わたしは「面白い人と会って面白い仕事を作る」ことがツイッター運用の目的なので、この事例はまさに自分の理想とするものでした。
フリーライターの庄部でした。
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