取材やライティングの準備に当たり、何かいい情報収集ツールがないものだろうか…?
記者やライター、ブロガーなどは常に抱き続ける関心事ではないでしょうか。
そこで今回は、効率的に信頼性の高い情報を集められるウェブサービス「日経テレコン」についてフリーライターのショウブ(@freemediwriter)が紹介します。
日経テレコンは
- 会社員として出版・新聞業界に身を置かないとなかなか知り得ないサービス
- 個人的にグーグル検索よりも優秀だと考える検索媒体
わたしにとっては利用料が高額なので、個人での利用はちょっと現実的ではないと思うのですが、企業や大学では使われていることがあります。
フリーのライターからすれば、パートナー企業が利用していれば編集者などに同サービスでリサーチを頼める可能性があります。現にわたしはそうしています。
「日経テレコン」の名を聞いたことのない人はぜひ参考にしてみてください。
日経テレコンとは
日経テレコンとは、日本経済新聞社が提供するオンラインデータサービスです。
同サービスのウェブサイトによると、日経テレコンでは下の5つの分野の情報を検索することができます。
- 記事情報
- 企業情報
- 業界情報
- 人物情報
- 海外情報
それぞれの概要を紹介しますね。
記事情報
全国の新聞50紙と業界専門紙など500以上の媒体から、40年ほど前までさかのぼって記事検索ができる
企業情報
国内約145万社の情報を、帝国データバンクや東京商工リサーチなど38のソースから閲覧可。「企業情報」「評点」「リスク格付け情報」「5~10期分の財務情報」などを調べられる
業界情報
- 日経新聞が独自にレポートした約550業種の業界動向を閲覧できる
- 矢野経済研究所や富士経済グループなどの調査会社がまとめたレポートも読める
- 海外の市場調査レポートも閲覧できる
人物情報
- 日経WHO’S WHOや東京商工リサーチ経営者情報など5つの人物データベースから、30万人以上の人物プロフィールを閲覧できる
- 各人物の社内歴・社外歴など、新聞に掲載されていない情報も読める
海外情報
- フィナンシャル・タイムズなど海外紙の記事を収録
- D&Bグローバルプロファイルやエクスペリアン企業調査レポートなど、海外の企業情報を検索できる
多くの記者・ライターにとって専門的な海外情報の必要性はそう高くないと思いますが、国内各紙や雑誌、専門紙などの記事を10年以上前までさかのぼって調べられるのは有能でしょう。
グーグルでニュース検索をしてもここ数年の情報しか得られませんし、そもそもこの検索方法だとピックアップする媒体が多すぎるので効率は良くありません。
なぜ日経テレコンを知ったのか
わたしが日経テレコンの存在を知っていたのは、過去に勤めていた新聞社で使っていたからです。
その新聞社では、記者が何らかの過去記事を調べる際にはこのサービスを利用するのが一般的でした。
新聞業界にまで拡大して言えることかどうかはわかりませんが、新聞社の前に勤めていたタウン紙では日経テレコンを使っておらず、またその時点では存在さえも知りませんでした。
ライターの中で新聞社や出版社の会社員を経験している人は割合的に少ないと思うので、この記事を読んでいる読者の中には、「名前すら知らなかった」という人もいるでしょう。
高額で個人利用はハードルが高い
先述の概要紹介で「使えそうだ」と感じる人は少なくないと思うのですが、利用に当たっては大きな難点があります。日経テレコン、費用がちょっと高いんですよね。
契約プランは複数ありますが、たとえば「オンライン契約」の「レギュラーコース」だと月額の基本料金6000円(税別)に加え、「情報利用料金」なるものが加算されます。
情報利用料金とは、何らかの記事のテキストやPDFを読んだりした際にかかるもので、1本の記事本文テキスト・PDFにつき100~400円ほどかかります。
つまり、1カ月に10本の記事を読めば少なくとも7000円以上かかるわけです。
ライターの日経テレコン活用方法
わたしのように「個人利用はちょっと厳しいな…」と思うライターも間接的に活用する方法があります。
パートナー企業が利用していれば、編集者などに頼んで取材先の情報などについて調べてもらう、というものです。
わたしも現にそうしていて、ある専門紙の編集者から日経テレコン経由の情報データを取材前に送ってもらうことがあります。
そんなときに、「グーグル検索では引っかからなかったけど、その情報が取材にとても役立った」なんてことがあるんですね。
日経テレコンに興味がある人は左のサービス名の箇所にリンクをはっておいたので参考にしてみてください。
「情報取集」についてはほかにも記事を掲載しているのでよければどうぞ。
フリーライターの庄部でした。
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