ライター×知識

【トラブル回避】ライターが企業と契約する前に確認しておきたいこと

企業と仕事をする前にどんなことを確認しておくといいのか

フリーランスになりたてのライターであれば、多くの人が気になることではないでしょうか。

ああ、聞きそびれた。でもこれだけのためにわざわざメールするのもなあ…

ぼくも過去にそんなことがありましたし、また企業としっかり情報共有をしていなかったが故に、ちょっと嫌な思いをしたこともありました。

どうせなら、企業と仕事をする前に必要な情報を漏れなく確認しておいて、すっきりした心持ちで仕事に臨みたいですよね。

この記事では、2016年からフリーのライターをしているショウブ(@freemediwriter)が、ライターが企業と契約する前、仕事をする前の面談時に確認したいことを伝えます。

「文字数は本文ではなくトータルの量を確認」「原稿料は税別か」「振り込み日の起算は原稿提出月か校了月か」など、確認する際の注意点もそれぞれ書いておくので参考にしてみてください。取材ライター向けの内容です。

概要は下の通り。

  • トータルの文字数
  • 納期
  • 原稿料
  • 請求書の送り方
  • 原稿料の振り込み日
  • 企業に編集力があるか
  • 経費が出る範囲
  • 取材キャンセル時の対応
  • 求めるライター像

トータルの文字数

フリーランスになりたてといっても、ライターが書く必要のある文章量は誰でも確認するでしょう。しかしここで注意したいのが、「企業が伝えた文章量がライターが書く全てかどうか」です。

ぼくにもあったことですが、場合によっては企業が序文(リード)などを除いた本文のみの文字数を伝える可能性があります。

200、300字くらいの差であれば負担は増えませんが、「実際に書く必要のある文章量が1000字以上多かった」なんてことが起きれば当然、労力は大きくなります。

特にWebメディアの場合、ディスクリプションなどオプション的な項目もライターが書く必要があり、それを面談時には知らされず、後になって「提示された原稿料に見合っていない」と感じることがあるかもしれません。

書く必要のある全ての内容とその量を確認しておくことが大切です。

納期

原稿の納期については

  • 日付で確認すること
  • 希望時間帯も聞くこと

この2点が大切だとぼくは思います。

納期を日付で確認するのが望ましい理由は、「取材日から●日後まで」といった表現の場合、企業によって締め切り日の計算方法が違う可能性があるためです。

取材日を含めるか含めないかが違う、ということですね。

「取材日が7月20日で、納期が1週間後」の場合、企業によっては取材日を含めて締め切りを7月26日に設定する恐れがあるので、「●日後」と言われたら、「じゃあ、今回は●日でいいですか?」と具体的な日付で確認しておくと互いの認識のズレがなくなります。

それと、締め切り日における時間帯の希望も合わせて確認しておくといいでしょう。

納期については、企業側がある程度の余裕を持ってライターに伝えるケースが多いので、「夕方まで」や「終日で構わない」ことがぼくの場合は多いのですが、場合によっては「その日の午後●時までだとありがたい」といったことがあります。

原稿料

原稿料を確認する際は、

  • 企業の伝える額が税別かどうか
  • 原稿料+消費税-源泉徴収税=支払い額の計算式か

この2点を確認しておけば安心。

企業の担当者によっては、原稿料に消費税がかかることや源泉徴収の意味を知らない人もいるので、このあたりのことは曖昧にしたまま進めず、きちんと確認しておくことを勧めます。

フリーランスとして仕事がなくなった事例を公開【30代ライター】フリーランスと企業との付き合いはどんなふうに終わっていくのか。なぜ企業から仕事を依頼されなくなるのか。その理由について2016年に独立したフリーライターの庄部が自身の事例を交えながら紹介していきます。...

こちらの記事に書きましたが、ぼくの場合、互いのお金の認識が違っていたことで企業との縁がなくなった(と思われる)ことがありました。

上の2点をクリアにさせないと、結局、請求書を作るときに問い合わせなくてはなりません。

消費税や源泉徴収を含め、ライターが請求時に知っておいた方がいいことは下の記事にまとめました。

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請求書の送り方

こちらは仕事を進める中で聞いてもいいことです。もし、面談時に余裕があれば聞いてみてください。

  • 請求書フォーマットがあるか
  • ない場合、記載必須の内容
  • データで送っていいか
  • データでいい場合でも、捺印は必要か

これらを確認しておくと、スムーズに手続きが進みやすくなります。

原稿料の振り込み日

振り込み日を確認する際の注意点は、企業の起算がどの時点かです。

  • 原稿提出月
  • 校了月

この2つのどちらを基準にするかで、振り込み日が大きく変わる可能性があります。

「原稿提出月」は文字通り、ライターが原稿を提出した月のことですが、「校了月」は取材相手や広告主、編集者などの関係者のチェックが終わり、原稿を世に出せる準備が整ったタイミングの月を意味します。

この基準を企業から明示されず、「振り込みは翌月末」と伝えられる可能性があるので、その場合はライターがしっかりと「原稿提出月の翌月末なのか」「校了月の翌月末なのか」確認しましょう。

あれ、今日振り込まれるはずなのに入ってない

企業に確認したら、振り込みのタイミングは校了月の翌月末と判明。自分は原稿提出月の翌月末と勘違いしていた。

入金が想定より2カ月ほど遅くなってしまう…

ぼくが過去に直面したことです。

企業に編集力があるか

上に挙げた基本的なことを確認したら、それとなく企業の人的リソースを確認すると今後の心構えがしやすくなると思います。

端的にいうと、その企業に編集力があるかどうかを察するということです。

編集者がいる企業であれば、ライターの文章を微調整してくれるため、細部に関する修正依頼はないことが多いのですが、編集者のいない企業の場合、取材相手や広告主が言ったことをそのままライターに「修正希望」として伝えるケースがあります。ぼくも経験したことです。

この場合、修正対応に多くの時間が割かれる可能性があるため、「そもそも原稿料が労力に見合っているか」再考の余地が出てくることがあります。

ホームページの制作会社やウェブの広告メディアには編集者がいないことが多いので留意したいですね。

ぼくは率直に、「どんなケースにライターに修正依頼を出していますか?」と聞くことが多いです。その返答によって仕事のイメージが変わってきますから。

経費がどこまで出るか

まれに交通費が出ない会社があるのでご注意を。ぼくも過去に1社ありました。

経費が出るかどうか、出るとすればどこまで出るかも確認しておくといいですね。

聞いておきたい内容は主に下の通り。

  • そもそも交通費が出るか
  • 出るとすればいくらまで出るか
  • 宿泊費は出るか
  • 出るとすればいくらまで出るか
  • 電話取材だと、電話代は出るか

固定電話を持っていないぼくの場合、携帯電話で取材をすると電話代がばかにならないことがあるので、事前に企業に聞くようにしています。

取材キャンセル時の対応

企業が取材日の調整までをコーディネートする場合、これは確認したいですね。

ライターの仕事には「準備」も含まれますし、その日に取材を入れるということは当然、他の取材を入れられないということですから、急きょ取材がキャンセルになった場合はそれなりの対応を望みたいところ。

ぼくが一緒に仕事をしてきた、または今もしている企業の例でいうと、

  • 取材当日のキャンセルは原稿料の半額(既に移動していた場合は交通費も)
  • 取材前日のキャンセルは原稿料の30%

をそれぞれ補償してくれることを契約内容に盛り込んでくれました。

こういった取り決めをしていない企業であれば、フリーランスやライターの仕事の特性を説明して、お願いしてみるといいかもしれません。

どんなライターを求めるか

時間に余裕があって、担当者と話が弾んだ場合にぼくは聞くようにしています。

率直に、どんなライターをいいと思いますか

この答えは案外、人によって違うので、担当者の価値観や考えを知りたいときは有効な質問になり得ます。

「いやあ、実はこんなライターさんが多くて…」「過去にこんなトラブルがあったので避けたいですね」

など、ライターの理想像だけではなく、過去にあったネガティブな事例も参考になります。

実際にぼくが過去に聞いたことは、下のようなもの。

  • 準備をしていない
  • メールの返信が遅い
  • 取材中の態度が偉そう
  • 長文を読みやすく書けない

「広告案件でスポンサーの目もあるので、できれば取材を盛り上げてほしい」など、企業によっては特徴的な要望もあるので把握しておくと対策がしやすくなります。

面談では臨機応変に質問したい

フリーランスやライターとしてリスクヘッジを図るためにも確認しておきたいことを書きました。

中でも、

  • 企業が伝える報酬の内訳
  • 振り込み日の起算
  • どんなときに修正を依頼するか

この3つは重要だと思うので、胸に留めてもらえるとうれしいです。

いろいろと書きましたが、面談は取材と似ていて相手との呼吸が重要なので、四角四面に上に書いたことを聞いていくと相手の印象を損ねる可能性があります。

臨機応変に優先順位の高いことから聞いていって、妥協できる部分に関しては仕事をしながら聞いていく形をとるのもありでしょう。

企業や仕事の特性、担当者の人柄を踏まえながら「どの質問をどの順序で出すか」考えるといいのではないでしょうか。

フリーライターの庄部(@freemediwriter)でした。

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